桜咲く サクラチル②

こんにちは


姉の結婚式の為に一時帰国

毎日を楽しく過ごしていた私にまさかの事態が

そんなお話です

 

実家でのんびりとした日々を過ごしている最中のとある朝

寝ている私を呼ぶ声が あれ親父の声でした


何回も何回も… あまりのうるささに さすがに目覚めました

寝ぼけながら なんや? 

と答える私は 親父が放った言葉を理解するのに時間がかかりました


『ともちゃんが死んだ』

ん?何で? とまだ眠りから覚めず ボーっとしている私に

親父がどんどんと言葉を重ねて来ます


『だから ともちゃんが死んだ』 『交通事故 で』 と

嘘やろ? 『本当や』 そんなやりとりが続くにつれ

目も覚めて来ました マジか‥‥

 

ともちゃん は私にとって従兄弟に当たる人で

昔から親戚で集まる際に 従兄弟の中で一番末っ子の私を

実の弟以上に可愛がってくれた 大好きなお兄さんでした


実感が湧かないまま バタバタと準備をして

彼の家に向かいました

まだ頭の中では理解が追いついていません


家に着くと既に大勢の人の啜り泣く声が

その先には 全身が白い布に覆われた ともちゃん

その光景を目にした私たちは 一瞬で涙が止まらなくなりました

本当に本当でした


徐々に現実を受け入れ 途方もない悲しみに包まれました


何よりも ともちゃんの家族の顔が 心に刺さりました

まだ二十歳を少し過ぎただけ 人生これからと言う時に何で


もっと沢山遊んでほしかった 一緒にお酒も飲んで笑いたかった

大きな大きな悲しみに包まれて 流されるまま お葬式を終えました

親を始め、じいちゃん、ばあちゃん、兄弟みんな‥‥

火葬場では悲しみがピークでした

泣き崩れる 言葉のままです 

私が最後にかけた言葉は ありがとうでした


ともちゃん いっぱい愛情をくれて 本当にありがとう


姉の結婚式の一週間程前の出来事でした


結婚式当日 ともちゃんの両親は欠席しますと謝って来ました


姉の結婚式も無事終わりとても幸せそうでした

新たに出来た兄も良い顔をしていました


新婚旅行に行く姉達と共に空港まで送ってもらい

それぞれ違うゲートを潜り飛行機で飛び立ちました


たった数週間の間に

大好きなお兄ちゃんを失い

大好きなお兄ちゃんができた


今でも立派な ともちゃんのお墓にお参りに行きます


ともちゃん今まで本当にありがとう

ともちゃんの分も頑張るから お守りください

毎回手を合わせ 心の中で語りかけます


ありがとう‥‥‥